お食い初めの由来:平安時代に行われていた形式を紹介
お食い初めの起源は、平安時代に遡るそうです。当時、貴族たちがこの儀式を行う習慣があったそうです。
平安時代では、お食い初めは「五十日祝い」や「初飯(ういまんま)」とも呼ばれていたそうです。
それでは、平安時代のお食い初めがどのようなものだったのか紹介していきます。
平安時代のお食い初めの準備と用意するもの
用意するもの
以下のものを用意していたようです。
- 食器類
- 料理
- 装飾品
・漆器を用いた高価な膳(赤色や黒色の漆器が主流)
・子供用の小さな箸(木製または象牙製)
・米飯:白米が一般的だが、庶民では粟飯や雑穀飯の場合もあった。
・魚:特に尾頭付きの魚(主に鯛)が重要視された。
・汁物:具が少なく味の薄い汁物。
・野菜:煮物や和え物が含まれる場合もあるが、地域や身分によって異なる。
・小豆粥:赤色が厄除けとされ、特別な祝いの席で供された。
・儀式の膳を飾るための花や、赤色の布を敷く。
・子供用の祝い着(絹や高級な布で仕立てたもの)。
準備すること
- 場所の清め
- 神仏への祈り
- 儀式の膳の配置
儀式を行う場所を清めるため、清水や塩で周囲を祓い清める。
子供の成長を守る産土神(うぶすながみ)に事前に祈りを捧げ、当日も神棚に供物を準備。
お膳や料理の配置に注意を払い、縁起の良い向きに置く(北を避け、南や東を向くのが一般的)。
平安時代のお食い初めの1日のスケジュール
(1)午前中:準備と儀式の開始
赤ちゃんの支度
赤ちゃんに祝い着を着せ、清めの水で軽く手や顔を拭いてから儀式に臨む。
神仏への祈願
家の神棚や仏壇の前で、子供の健やかな成長を祈る。
(2)正午頃:儀式の実施
祝膳の供え
準備した料理を赤ちゃんの前に置き、形式的に食べさせる。
実際には食べられないため、親や祖父母が代わりに箸を口元に運ぶ動作を行う。
「米飯→魚→汁物→野菜」の順に進める。
この動作を3回繰り返す(地域によっては「三の膳」とも呼ばれる)。
お守りの授与
産土神への祈願後、お守りや祝符を赤ちゃんに授けることもあった。
(3)午後:祝いの宴
親族の会食
家族や親族が集まり、赤ちゃんの成長を祝う宴を行う。
贈り物の交換
親族や友人から子供への贈り物(衣類や玩具)が贈られることが多い。
祝歌や舞
家庭によっては、楽器や歌で祝福する場もあった。
平安時代のお食い初めの特徴
- 身分差の影響
- 宗教的要素
- 形式の重視
貴族階級では豪華な儀式が行われ、宴の後に詩を詠むこともあった。
一方で、庶民の間では簡略化された形式が多く、食事や装飾も簡素だった。
神道や仏教の信仰と深く結びついており、土地の神や仏に子供の成長を祈願するのが中心的な目的だった。
実際の食事というよりも、儀式的な意味合いが強く、「形」を整えることが重要視された。
平安時代のお食い初めについてのまとめ
平安時代のお食い初めは、現在よりも厳密で宗教的な意味合いが濃かったことが特徴です。
貴族文化が中心だった当時は、儀式そのものが家族や家系の力を示す場でもあったようです。
現代のお食い初めは、伝統を尊重しながらも、現代の家庭事情に合わせて柔軟に進化しています。
特に、ご自宅に飾るお写真や、フォトアルバム、SNSなどで親戚・友人に共有するための写真撮影を重視する家庭が多くなっています。
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