共働き家庭の家計管理・完全ガイド|負担・不公平感ゼロの仕組み作り
公開日:2025/11/27
最終更新日:2025/11/27
共働き家計管理の完全ガイド|不公平ゼロの仕組み作り
子育てが始まってから、
- 「私ばっかり払ってる気がする…」
- 「家計の話をすると、いつも雰囲気が悪くなる」
- 「育休に入ってから、お金のことを言いづらくなった」
と感じたことはありませんか?
実はこれは“あなたが悪い”のではなく、子育て期の支出と夫婦の役割がズレやすい構造的な問題です。
この記事では、共働き家庭が抱えがちな不公平感・言いづらさ・見えない支出を、「心理 × 生活 × 仕組み」の3つの視点から整理します。
さらに、今日からできる負担ゼロ・不満ゼロの家計管理の仕組み作りまで、ステップで紹介していきます。
難しい専門用語はできるだけ使わず、「読みながら少しずつ気持ちとお金が整っていく」ことを意識してまとめました。
授乳の合間やお昼寝中に、気になるところからゆっくり読んでみてくださいね。
子育て世帯の家計は、なぜこんなに不安になる?
見えない支出が積み重なりやすい構造
妊娠前と比べて、赤ちゃんが生まれてからの支出は「少額 × 高頻度」になりやすいのが特徴です。
- おむつ・おしりふきの買い足し
- ミルク・離乳食アイテム
- ガーゼ・スタイ・着替えの追加購入
- ベビーソープや保湿剤などのケア用品
- 抱っこ紐のよだれカバー、ベビーカー用の小物 など
1回あたりは数百円〜数千円でも、月トータルでは1〜2万円分になっていることも少なくありません。
しかも、これらの多くは「レシートをとっておく余裕もないくらいバタバタの中」で購入されます。
その結果、
- 「なんとなくお金が減っている気がする」
- 「でも、どこにいくら使ったのか分からない」
という“モヤモヤだけが残る”状態になりやすいのです。
産後の負担と精神的キャパの低下
産後のママは、
- 睡眠不足
- ホルモンバランスの変化
- 慣れない育児への不安
など、心と体の両方に大きな負荷がかかっています。
その状態で、
- 家計簿をつける
- 月の支出を振り返る
- 夫婦で冷静に話し合う
というのは、正直かなりハードルが高いタスクです。
ある0歳ママはこう話してくれました。
「子育てに実際いくら必要なのか分からず、毎月いくら使っていいのか不安を感じながら暮らしていました。必要なことが特定できて、今は安心できました。」(30代女性/0歳ママ)
「管理できない私が悪い」ではなく、「管理するには負荷が高すぎる時期」と捉えることが大事な視点です。
“私ばっかり払ってる”と思いやすい理由
赤ちゃんとの生活が始まると、
- 日々の買い足し
- オンラインでのポチ買い
- 保育園準備の細々とした物
など、「買う役割」がママに偏りやすくなります。
すると、クレジットカード明細や銀行アプリを見たときに、
- 「私のカードからばかり引き落とされている」
- 「夫の支出は見えないのに、自分の支出だけ目に入る」
という構図になり、不公平感が強くなってしまうのです。
0歳〜6歳の支出モデル|子育て家庭ならではの出費とは?
0歳:おむつ・ミルク・外出コスト
特に家計インパクトが大きいのが、0歳の時期です。
- おむつ・おしりふき:月5,000〜8,000円前後
- ミルク(完全ミルクの場合):月5,000〜10,000円前後
- ベビーケア用品:月1,000〜3,000円程度
- 外出コスト(ベビー同伴でのテイクアウト等):じわじわ増えやすい項目
あくまで目安ですが、0歳だけで月1万〜2万円程度の“赤ちゃん特有の支出”が増えるイメージです。
1歳〜:保育園関連の出費
1歳を過ぎて保育園が始まると、今度は別の出費が増えてきます。
- 保育料(自治体や収入によって差あり)
- お昼寝布団や通園バッグなどの準備品
- 着替え用の服や靴の追加購入
- 遠足代・写真代などの園行事関連
「保育料が高いから、その他の出費は抑えたい」と感じる一方で、
現実には保育園生活を支えるための細かい支出が積み重なっていくのが実情です。
イベント費・思い出費のリアル
さらに、
- ハーフバースデー
- 1歳のお誕生日
- 季節のイベント(クリスマス・七五三など)
など、「せっかくだから、ちゃんと残してあげたい」と思うイベントも増えていきます。
ここは「削る」のではなく「計画して用意しておくべきお金」です。
この記事の後半では、こうした“思い出予算”を守るための家計設計も一緒に考えていきます。
夫婦の家計がズレる本当の理由(心理 × 生活 × 収入)
“責められたくない”心理が対話を遠ざける
家計の話をするとき、お互いにどこかで
- 「使いすぎって言われるのでは…」
- 「節約しろって責められそう…」
と身構えてしまうことがあります。
すると、
- 本当に聞きたいことを聞けない
- 言いたいことを飲み込んでしまう
結果として、話し合いの場がそもそも持てなくなってしまうのです。
買い物担当がママに偏る“生活構造”
「おむつがなくなりそう」「保育園用の服を追加で買わなきゃ」など、
“今すぐ必要”な出費は、どうしてもママの判断で行う場面が多くなります。
その一方で、夫側の支出は、
- 家賃・光熱費・通信費などの引き落とし
- カードの自動決済
といった形で見えにくく、「お互いの見えている金額」が大きく違う状況が生まれます。
育休で収入が変化し、不公平が生まれやすい
産前は「家賃は夫」「食費は私」など、感覚的な分担でうまく回っていたとしても、
育休に入って収入が減ると、そのルールが一気に苦しくなることがあります。
ルールが変わっていないのに、状況だけが変わってしまうため、
- 「前と同じ割合で払うのはしんどい」
- 「でも、言い出しにくい」
という矛盾が生まれやすくなります。
家計共有の3つの方式(メリット・デメリット比較)
① 別管理方式|自由度は高いがズレやすい
特徴: お互いが自分の収入・支出を管理し、生活費だけ一定額を出し合うスタイル。
メリット:
- 自分のおこづかい感覚が守られる
- 趣味や自己投資に口出しされにくい
デメリット:
- どちらがどれだけ負担しているか見えづらい
- 赤ちゃん関連の出費が片方に偏りやすい
② 一元化方式|ラクだが負担感が偏りやすい
特徴: 収入をすべて一つの口座に入れ、そこからすべての支払いを行うスタイル。
メリット:
- 家計全体が一目で分かる
- 長期的な貯金計画が立てやすい
デメリット:
- 「誰がどれだけ稼いでいるか」の意識が薄れやすい
- おこづかいの線引きがあいまいになり、不満につながることも
③ ハイブリッド方式|最も実用的な“折衷解”
特徴: 「生活費・子育て費用」は共有、「おこづかい」は各自管理する折衷スタイル。
メリット:
- 共通の支出(家賃・食費・赤ちゃん費用)を公平に管理できる
- 自分の自由に使えるお金も確保できる
デメリット:
- 設定・見直しに少し手間がかかる
とはいえ、子育て期にはこのハイブリッド方式が最もバランスが良いケースが多く見られます。
共働き家庭の負担割合の決め方(収入 × 育児の公平性)
収入比例で負担する方法
よく使われるのが、「収入に応じて負担割合を決める」方法です。
例)
夫:手取り24万円/月
妻:手取り12万円/月(育休復帰後)
合計36万円のうち、夫が2/3、妻が1/3を生活費として出し合うイメージです。
育児負担を考慮した分担方法
子育て期は、「時間と体力の負担」も大きな要素です。
たとえば、
- 夜間授乳・寝かしつけはほぼママ
- 保育園の準備や通院の付き添いもママ中心
という場合、家計の負担を少し軽くすることで「全体としての公平感」を保つという考え方もあります。
最も摩擦が少ない“現実的ルール”
おすすめは、
- 「収入の割合」をベースに大枠を決める
- 「育児負担」を考慮して微調整する
- 年1回〜半年に1回は“振り返り会”をする
という3ステップです。
あるママは、こう振り返っています。
「子育てに実際いくら必要なのか分からず、毎月いくら使っていいのか不安を感じながら暮らしていました。夫と負担割合を一緒に見直したことで、必要なことが特定できて、今は安心できました。」(30代女性/1歳ママ)
「私ばっかり買ってる問題」が起こる生活構造
オンライン購入のほとんどがママ担当
スマホ一つで買い物が完結する今、
- おむつの定期便の設定
- ミルク・離乳食アイテムのまとめ買い
- 保育園グッズのネット注文
など、ママのアカウントからの決済が増えやすい環境になっています。
小銭の支払いが積み重なる現象
コンビニでの飲み物、子どものおやつ、ベビー用の日焼け止めなど、
「ついで買い」は1回数百円でも、月トータルではかなりの金額になることがあります。
しかし、これらは家計簿に残りづらく、「体感」と「実際の支出」にギャップが生まれがちです。
“生活費の可視化”で負担の偏りをなくす
すべてを細かく記録するのは大変なので、まずは
- 「赤ちゃん関係の支出だけ」ざっくりメモする
- 1ヶ月分を振り返り、夫婦で一緒に見る
だけでも大きな一歩です。
そのうえで、
- 赤ちゃん関係の支出は共有口座から払う
- ネット注文用の「共通クレジットカード」を1枚決める
といったルールを作ると、「どちらがどれだけ負担しているか」が見えやすくなり、不公平感が減っていきます。
夫婦で喧嘩しない“家計の話し方テンプレ”
① 責めないスタートの切り方
いきなり「使いすぎじゃない?」と言ってしまうと、防御反応が働いてしまいます。
最初は、こんな言い方から始めてみましょう。
- 「ちょっと一緒に家計を見てほしいことがあるんだ」
- 「責めたいわけじゃなくて、安心したいだけなんだけど…」
② 感情でなく“事実”だけを見る方法
話し合いの場では、
- 「先月の赤ちゃん関連の支出は、これくらいだったみたい」
- 「おむつ代はだいたい月○円くらいになっているよ」
と、感情ではなく「事実ベース」で共有することが大切です。
③ “チーム家計”の空気を作る言い回し
最後に、
- 「どっちが悪いか、じゃなくて、一緒にどうするか考えたい」
- 「私一人だと不安だから、チームで管理できたら嬉しい」
といった言葉を添えることで、「攻め合う」から「一緒に整える」空気に変えていくことができます。
育休中の家計を守る方法
貯金の取り崩しは“計画的”に
育休中は収入が減る一方で、赤ちゃんの出費は増えます。
この時期のポイントは、
- 「毎月いくら赤字になるのか」をざっくり把握する
- 「どの貯金から、どの期間取り崩すか」を決めておく
という“見通しを持つこと”です。
必要な支出の優先順位
もし家計が厳しくなったときに、真っ先に削るべきなのは
「生活に影響の少ないサブスクや嗜好品」であり、
- 食費(栄養)
- 医療・保険
- 赤ちゃんの安全・健康
といった部分は守るべき領域です。
職場復帰後の家計リズムの戻し方
復帰後は、
- 保育料
- 時短勤務による収入変化
- 通勤費・ランチ代
など、また支出の形が変わります。
復帰後3ヶ月〜半年を目安に、再度「負担割合」や「共通口座への入金額」を見直すことで、
モヤモヤを残さずに新しい生活リズムに家計をフィットさせていくことができます。
家計簿アプリをどう共有する?
まずは連携口座“1つだけ”でOK
最初からすべての口座・カードを連携しようとすると、途中で挫折しがちです。
おすすめは、
- 「共通で使っているメイン口座」
- 「赤ちゃん費用を払うクレジットカード」
など、1つだけ連携してスタートする方法です。
共有口座・共有カードの作り方
ハイブリッド方式をとるなら、
- 夫婦それぞれの口座から、決めた金額を共有口座へ毎月振り込む
- その共有口座から、家賃・光熱費・赤ちゃん関連の支出を払う
という形がシンプルで運用しやすいです。
自動化できる部分を増やすコツ
できるだけ手間を減らすために、
- 共有口座への振込を「自動振替」にしてしまう
- 赤ちゃん関連の定期的な買い物は「定期便」を活用
など、“仕組みで続く状態”をつくることがポイントです。
家計簿の自動一覧作成や簡単共有なら「家計簿アプリ:マネーフォワード ME」におまかせ!!
編集部のイチオシ家計簿アプリです!
注)PCからはリンクが飛べません
0歳〜保育園の家計モデル(わかりやすい金額帯)
月いくらかかる?年齢別の目安
家庭によって差はありますが、ざっくりとしたイメージを持つために、
- 0歳:おむつ・ミルク・消耗品などで月1万〜2万円程度
- 1〜2歳:保育園関連+日用品で月2万〜3万円程度
というように、「赤ちゃん特有の出費」がどれくらいかかるかを夫婦で共有しておくと、
「そんなにかかっていたんだね」という理解につながり、不満も減りやすくなります。
“予想外の出費”リスト
実際のママたちからは、こんな「見落としがち出費」の声もよく聞かれます。
- 急な発熱時の受診・タクシー代
- ベビー服のサイズアウトによるまとめ買い
- 保育園からの「予備で○枚用意してください」ラッシュ
季節イベント・行事費のモデル
さらに、
- ハーフバースデー・1歳バースデー
- 初節句やクリスマス
などのイベントでの支出も、事前に「お祝い予算」として家計の中に組み込んでおくと安心です。
“思い出予算”をつくる|将来後悔しない支出設計
優先順位の付け方
家計を整えるときに大切なのは、「削るところ」と「守るところ」を分けることです。
- 日々の何となくの支出・使っていないサブスク → 見直し候補
- 健康・安全・思い出づくり → 守るべき支出
撮影会・イベントへ自然に予算を回す方法
たとえば、毎月のサブスクを2,000円減らすことができれば、
- 半年で12,000円
- 1年で24,000円
の“思い出予算”が生まれます。
そのお金を、
- ハーフバースデーの撮影会
- 1歳のお誕生日撮影会
- フォトブックの作成
などにあてれば、「目に見える形の宝物」として家族に残すことができます。
継続しやすい予算管理
完璧な家計管理を目指す必要はありません。
大切なのは、
- 毎月ざっくりでも「全体の流れ」を夫婦で共有する
- 半年〜1年に1度、ルールを見直す
といった“ゆるく続けられる仕組み”を作ることです。
まとめ:家計共有は“安心”をつくる仕組み
今日からできる一歩
子育て期の家計は、
- 支出が増える
- 収入が変化する
- 心と体の余裕がなくなる
という“三重苦”になりやすい時期です。
だからこそ、
- 完璧な家計簿よりも「ざっくり可視化」
- 責め合いではなく「チーム家計」
- 節約よりも「安心と、思い出にお金を回す設計」
を大切にしてみてください。
今日できる一歩は、たとえばこんな小さなことからで十分です。
- 赤ちゃん関連の支出だけ、1週間分メモしてみる
- そのメモを見ながら、夫婦で10分だけ話してみる
- 「責めたいわけじゃなくて、安心したいだけ」という一言を添えてみる
少しずつ家計の“見える化”が進むことで、不安は減り、「我が子に使いたいお金」を守れるようになります。
家計共有は、節約のためだけではなく、家族の未来と安心をつくるための大切な土台。
無理のないペースで、一緒に整えていきましょう。
よくある質問(FAQ)
育休中の家計が苦しくなるのはなぜ?
収入が減る一方で、赤ちゃんの出費が増える“ダブルの変化”が起きるためです。特に0歳期はおむつ・ミルクなどの消耗品が多く、月1〜2万円の増加が一般的です。
夫婦の家計の不公平感はどうすれば減りますか?
「見えている支出の差」が不公平感を生む原因です。赤ちゃん関連の支出だけでも共有口座・共有カードにまとめると、偏りが見えづらくなり、不満が大幅に減ります。
家計の話し合いが苦手です。どう切り出せば良い?
「責めたいわけじゃなくて、安心したいだけ」という一言を添えると衝突が避けやすくなります。具体的な金額ではなく“事実”を共有することがポイントです。
家計簿アプリはどれくらい連携すれば良い?
最初から全部連携すると挫折しやすいです。まずは“1つの共有口座”または“赤ちゃん費用を払うクレカ1枚”だけ連携するのが最も続きます。
“思い出予算”って本当に必要?
必要です。子どもの成長は一度きりです。サブスクや不要な支出を少し整理するだけで、撮影会やフォトブックに回せるお金が確保できます。



