育児中の家計簿の書き方・付け方より大事なこと。続かない本当の理由と、新しい考え方
公開日:2025/12/6
最終更新日:2025/12/6
育児中の家計簿の書き方・付け方より大事なこと。続かない本当の理由と、新しい考え方
「家計簿の書き方を調べて、ノートもアプリも試したのに、なぜか続かない……」
「そもそも、どんな家計簿の付け方が正解かわからない……」
そんな気持ちで「家計簿 書き方」「家計簿 付け方」と検索して、このページにたどり着いてくれたあなたへ。
このページでは、まずは一般的な家計簿の書き方・付け方をやさしく整理したうえで、
「それでも家計簿が続かない本当の理由」と、「これからの時代に合った新しい家計簿の考え方」をお伝えします。
結論から言うと、あなたが家計簿を続けられなかったのは、あなたの意志が弱いからではなく、「家計簿の前提」があなたの今の暮らしと合っていなかったからです。
まずは「普通の家計簿の書き方・付け方」をざっくり整理
まずは、一般的に紹介される「家計簿の書き方・付け方」を、さっと整理しておきましょう。
検索して出てくる多くの記事や本は、だいたい次の流れを勧めています。
家計簿の基本ステップ
-
収入を把握する
まずは、毎月入ってくるお金を整理します。
給与、ボーナス、児童手当など、どこからいくら入っているのかを書き出します。 -
固定費を洗い出す
毎月ほぼ決まって出ていくお金(家賃・住宅ローン、保険料、通信費、サブスク、保育料など)をリストアップし、金額を確認します。 -
費目(食費・日用品など)を決める
残りの支出を「食費」「日用品」「外食」「レジャー」「教育費」など、いくつかのカテゴリ(費目)に分けて管理します。 -
日々の支出を記録する
レシートを取っておき、
「いつ・どこで・いくら・何費で使ったか」を、家計簿ノートや家計簿アプリに入力していきます。
ここまでが、いわゆる「家計簿の書き方・付け方」の基本です。
手書き・アプリなど、よくある選択肢
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手書きノートの家計簿
市販の家計簿ノートや無地ノートに、自分でフォーマットを書いて管理するスタイル。
・自分でカスタマイズしやすい
・書くことで記憶に残りやすい
一方で、
・毎回の「書く時間」が必要
・計算も自分でしなければならない
という負担もあります。 -
家計簿アプリ(マネーフォワード ME など)
スマホアプリに口座やクレジットカードを連携し、自動的に支出・収入を読み込んでくれるタイプ。
・自動でデータがたまるので、入力の手間が減る
・グラフや一覧で可視化しやすい
などのメリットがある一方、
・最初の設定が大変に感じる
・アプリごとの操作に慣れるまで時間がかかる
といったハードルを感じる人も少なくありません。
ここまでで、「一般的な家計簿の書き方・付け方」は一通りおさえました。
でも、きっとあなたはこう感じているはずです。
「頭ではわかるけど、これができないから困っているんだよね……」
それでも家計簿が続かないのはなぜ?表面的な「つまずき」と本当の原因
では、なぜ「家計簿の書き方・付け方」がわかっても、現実には続かないのでしょうか。
多くの方が口にするのは、こんな理由です。
よくある「表の理由」
- 記録するのが面倒になってくる
- 「何費かわからない支出」が多くて、分類が大変
- 毎日続けようと思っても、3日坊主で終わってしまう
- 家計簿アプリの操作や設定に疲れてしまう
たしかに、これらはどれも「続かない理由」です。
でも、よくよく話を聞いてみると、もっと深いところに共通した“本当の原因”があります。
でも、本当にしんどいのはここ(本質的・心理的・構造的な課題)
多くのママたちが心の中で感じているのは、次のようなものです。
-
将来の見通しが持てない不安
「このままの収入と支出で、本当にやっていけるのかな?」
「教育費って、どれくらい必要なんだろう?」
「私が働き方を変えたら、家計はどうなるの?」
こうした“将来のお金のイメージ”が持てないことが、不安の大きな源になっています。 -
赤字を見るのが怖い
育休中や小さい子どもがいる時期は、どうしても出費が増えやすく、貯金も思うように増えません。
その現実を見るのが怖くて、家計簿を開く手が止まってしまいます。 -
「これで合っているのかわからない」モヤモヤ
「この分類で合っているのかな?」
「このくらいの支出は普通?多い?」
「この家計簿の付け方、意味あるの?」
どれだけ記録しても「これでいい」という基準がないと、だんだん虚しくなってしまいます。 -
「自分だけできていない」自己否定感
SNSで「貯金100万円達成」「家計簿歴5年」などの投稿を見ると、
「なんで私は続かないんだろう……」と、自分を責めてしまうことも。
つまり、家計簿が続かない理由は、単に「家計簿の書き方・付け方を知らないから」ではなく、
「将来が見えない不安」「意味のわからない作業」「自分を責めてしまう構造」が重なっているからなのです。
育休中の1日と、家計簿が続かないリアル
ここからは、家計簿が続かず困っているママを例に、どんな風に家計簿が続かなくなっていくのかをストーリーで見てみましょう。
0〜1歳育児の1日を振り返る
ある平日。
夜中の授乳や夜泣きで、ぐっすり眠れないまま朝が始まります。
- 朝:授乳、オムツ替え、簡単な朝食づくり
- 午前:赤ちゃんとの遊び、抱っこ、寝かしつけ、洗濯
- 午後:買い物、病院や支援センターに行く日もある
- 夕方:夕食づくり、お風呂、寝かしつけ
- 夜:ようやくひと息ついたと思ったら、気づけばもう22時過ぎ
「この時間に、家計簿をじっくり書く余裕があるか?」と言われたら……
正直なところ、「今日はもうムリ」と感じる日がほとんどではないでしょうか。
「家計簿をつけよう」と思っても手が止まる瞬間
それでも、「家計簿をちゃんと付けなきゃ」と思って、夜にスマホの家計簿アプリを開きます。
- 「あれ、このレシート、何の買い物だったっけ?」
- 「この支出は食費?日用品?どっち?」
- 「今月も赤字かもしれない……、見るのが怖いな」
そんな気持ちが重なって、だんだんとアプリを開くのが怖くなり、通知もオフにしてしまう。
数日後、「もうどこからつければいいかわからない」と、家計簿アプリの存在ごと見ないふりをしてしまう……。
こうして、「家計簿を付けるのが苦手な人」「家計簿が続かない人」というセルフイメージだけが残ってしまうのです。
でも、悪いのは本当に「自分」なのでしょうか?
従来の「家計簿の書き方・付け方」が、合わない理由
ここまでのストーリーを振り返ると、
「従来の家計簿の書き方・付け方」が、今の暮らしに合っていないポイントが見えてきます。
毎日つける前提が、育児の生活リズムと合わない
多くの家計簿本や記事は、「毎日コツコツ続けること」を前提にしています。
しかし、0〜1歳育児の生活は、予定通りにいかないことだらけ。
「毎日やる」が前提だと、少しでもできない日が続くと、
「もうダメだ」「自分は続ける力がない」と感じてしまいがちです。
費目の細かい分類が“目的なき負荷”になっている
「これは食費?外食?交際費?」
費目が細かいほど、入力のたびに迷いが生まれます。
ただでさえ睡眠不足と育児で脳のエネルギーを使っているのに、
家計簿でさらに決めごとを増やすと、それだけで疲れ切ってしまいます。
しかも、その細かさが、将来の不安を減らすことや、暮らしの安心とあまりつながっていないとしたら……。
「何のためにこれをやっているんだろう?」という気持ちにもなってしまいます。
赤字=悪 という設計が、罪悪感・自己否定を生んでしまう
育休中や子どもが小さい時期は、「赤字の月」があって当然です。
それなのに、家計簿の中では「黒字=良い」「赤字=悪い」と評価されがち。
そうすると、
赤字の月 →「ダメな月」 →「ダメな自分」
という風に、簡単に自己否定につながってしまいます。
「家計簿=過去を振り返るノート」になっている
多くの家計簿は、「先月はいくら使ったか」「今月はどこが多かったか」など、過去を振り返ることに重点があります。
しかし、育児や仕事、家事で忙しいママにとって、本当に知りたいのは、
「これからどうすれば安心できるか?」という未来のこと。
過去の反省だけを積み重ねても、
「未来の見通し」や「これからの選択肢」が見えなければ、家計簿はただの“苦しいノート”になってしまいます。
だからこそ、従来の「家計簿の書き方・付け方」をいくら頑張っても、多くの育児で大変になっているママには合いにくいのです。
チェックリスト:あなたが家計簿でしんどくなるポイントはどこ?
ここで一度、あなた自身がどこでつまずきやすいのかを確認してみましょう。
当てはまるものに、心の中でチェックを入れてみてください。
心理チェック
- □ 赤字を見ると、自分がダメな人間に思えてしまう
- □ 家計簿を開くだけで、胸がざわざわしたり、苦しくなることがある
- □ SNSや他のママの「貯金報告」を見ると、落ち込んでしまう
- □ 「家計簿を続けられない自分」が、ずっと心に引っかかっている
構造チェック
- □ 費目が多すぎて、入力のたびに迷ってしまう
- □ レシートがたまると、もう追いつけない気がしてやめてしまう
- □ 「何のために家計簿を付けているのか」が、正直よくわからない
- □ アプリの機能が多すぎて、かえって疲れてしまう
いくつか当てはまったとしても、大丈夫です。
それは、あなたが「ダメだから」ではなく、今の家計簿との相性が悪かっただけ。
ここからは、「書き方・付け方」の話から一歩進んで、
家計簿そのものの役割を変えるという視点で考えてみましょう。
家計簿の「書き方・付け方」を変えるより、“家計簿そのものの役割”を変える
多くの人は、「家計簿が続かない」と感じたとき、
「もっと簡単な書き方はないかな?」
「かわいいノートなら続くかな?」
と“やり方”を変えようとします。
もちろん、それも大事な工夫のひとつです。
でも本当に必要なのは、「家計簿って、そもそも何のためにあるの?」という“役割”の部分を見直すことです。
家計簿=記録ではなく、「未来の安心をつくるナビ」にする
これからの家計簿は、
「いくら使ったかを記録するノート」から、
「これからの暮らしと働き方を選ぶためのナビゲーション」へ。
たとえば、こんな問いに答えられるような家計簿です。
- 「時短勤務とフルタイム、どちらの働き方なら家計的に安心できる?」
- 「教育費を少しずつ積み立てるには、毎月いくら余裕があればいい?」
- 「家族旅行やイベントのために、今どのくらい余白がある?」
こうした未来の“選択肢”を増やすために、
家計簿を使っていくイメージです。
毎日ではなく、週1の振り返りで十分
「家計簿は毎日つけないと意味がない」と思っていませんか?
0〜1歳育児の生活リズムを考えると、これはかなりハードルが高い前提です。
実は、週に1回、ざっくりと全体を振り返るだけでも、「家計の流れ」を掴むには十分です。
- 今週はどんな支出が多かったか
- 「これは良かったな」と思える支出はどれか
- 「来週はここを少し控えたいな」というポイントはどこか
この3つを意識するだけで、家計は少しずつ整っていきます。
数字の正確さではなく、「未来の選択肢」を増やすことをゴールに
1円単位でぴったり合っているかどうかよりも、
ざっくりとでも
「毎月どのくらいなら貯金できそうか」
「どのくらいまでなら安心して使えるか」
が見えている方が、暮らしの安心につながります。
これからの家計簿は、
「数字を完璧に合わせること」ではなく「未来の選択肢を増やすこと」をゴールにしていいのです。
そう考えると、
・完璧じゃなくていい
・毎日じゃなくていい
・細かく分けなくていい
という、少し気持ちがラクになる“新しい家計簿のイメージ”が見えてくるのではないでしょうか。
まとめ:あなたが悪いのではなく、“家計簿の前提”が合っていなかっただけ
従来の家計簿が合わなかった理由の再整理
最後に、ここまでのポイントを簡単に振り返ります。
- 家計簿の「書き方・付け方」だけを変えても、本質的な不安は解消されない
- 家計簿が続かない本当の理由は、「将来の見通しが持てない不安」や「自分を責めてしまう構造」にある
- 毎日つける、細かく分類する、赤字=悪、といった従来の前提は、育児中のママの生活や心の状態と合いにくい
- 本当に必要なのは、「家計簿そのものの役割」を見直し、未来の安心や選択肢づくりに使うこと
何度も繰り返しますが、家計簿を続けられなかったのは、あなたのせいではありません。
あなたの今の暮らしや感情に、従来の家計簿の前提が合っていなかっただけです。
新しい選択肢としての『未来ナビ家計簿』の紹介
もし今、こんな気持ちが少しでもあるなら――
- 未来の不安を、少しでも軽くしたい
- 家計簿に振り回されず、自分のペースで続けたい
- 夫婦で「これからの暮らし」や「働き方」を一緒に考えたい
そんなあなたには、「家計簿=未来の安心をつくるナビ」として設計した、
新しい考え方『未来ナビ家計簿』を、次の記事でくわしくご紹介しています。
従来の家計簿のように、「毎日・細かく・完璧に」が前提ではなく、
週1・ざっくり・未来にフォーカスして続けるためのガイドです。
「もし、
- 未来の不安を減らしたい
- 家計簿に振り回されずに続けたい
- 夫婦で“これからの暮らし”を一緒に考えたい
と思ったら、次の記事で詳しく紹介している
『未来ナビ家計簿)』を、ぜひのぞいてみてください。」
よくある質問(FAQ)
家計簿が3日坊主で終わるのは性格の問題?
いいえ。性格ではありません。育児中は毎日家計簿をつける前提が生活リズムと合わないためです。家計簿側を「週1・ざっくり」へ変えると続けやすくなります。
支出を細かく分類しないと意味がないの?
細かい分類は必須ではありません。むしろ「固定費・変動費・育児費」の3分類だけでも十分家計の流れはつかめます。
家計簿が続かないとお金は貯まらない?
家計簿の継続と貯金額は直結しません。大切なのは「未来の見通しを持てること」。毎日の記録より、月1回の未来シミュレーションのほうが効果があります。
赤字の月があると不安で落ち込んでしまう…どうすれば?
赤字は悪ではありません。育休・子育て期は赤字になりやすい時期で、問題は「未来の見通しがあるかどうか」です。未来ナビ家計簿では赤字=悪という評価をやめます。
家計簿アプリが苦手でも管理できますか?
アプリが苦手でも問題ありません。最初は「週1でアプリを開くだけ」で十分ですし、記録よりも「数字を未来にどう使うか」の方が大切です。
夫が家計に無関心なのですが、どう巻き込めば?
いきなり家計の細かい話をするのではなく、「来年どんな暮らしにしたい?」など未来の話題から共有すると、自然に家計の話へつながりやすくなります。

