未来ナビ家計簿:育休ママでも週1で続く、新しい家計簿の書き方ガイド
公開日:2025/12/6
最終更新日:2025/12/6
未来ナビ家計簿:育休ママでも週1で続く、新しい家計簿の書き方ガイド
「家計簿をつけた方がいいのはわかってる。でも、正直しんどい。」
「アプリも試してみたけど、設定や操作で疲れてしまった……。」
そんな気持ちを抱えている育休ママ・小さい子どもを育てているママのために、
このページでは『未来ナビ家計簿』という、まったく新しい家計簿の考え方と、
それを現実に使える形にするためのマネーフォワード MEのやさしい活用方法をご紹介します。
キーワードは、「毎日ではなく週1」「細かくではなくざっくり」「反省ではなく未来の安心」です。
家計簿が続かないのは、あなたのせいじゃない
まず一番最初にお伝えしたいのは、
家計簿が続かないのは、あなたの意志や性格の問題ではないということです。
記事「育児中の家計簿の書き方・付け方より大事なこと。続かない本当の理由と、新しい考え方」でお伝えしたように、従来の家計簿は
- 毎日つけることが前提
- 費目を細かく分類するのが前提
- 赤字=悪という前提
- 「過去を振り返ること」に重心がある
という“古い前提”でつくられていることがほとんどです。
でも、0〜1歳の赤ちゃんを育てながら、
夜泣き・授乳・家事・ワンオペ時間……そんな毎日の中で、
「毎日・細かく・完璧に」家計簿を続けるのは、ほとんど不可能に近いのが正直なところです。
だからこそ、「家計簿の書き方・付け方」よりも、「家計簿そのものの役割」と「前提」を変える必要があるのです。
『未来ナビ家計簿』とは?コンセプトと3つの約束
そこで提案したいのが、『未来ナビ家計簿』という考え方です。
一言で言うと、
「今の数字を記録する家計簿」ではなく、「これからの安心と選択肢をつくるためのナビ」として家計簿を使う、という考え方です。
コンセプト:今の数字ではなく、“これからの安心”をつくる家計簿
未来ナビ家計簿は、次の3つを大切にしています。
- ① 過去より「これから」を見る
「先月いくら使ったか」だけでなく、「これからどう使えば安心できるか」を考える。 - ② 完璧さより「戻ってこれること」を重視
毎日できなくても、サボってもいい。週1でも、月1でも「また戻れる」ことを前提にする。 - ③ 節約より「未来の選択肢を増やすこと」をゴールにする
お金を減らすことだけが目的ではなく、「どんな働き方・暮らし方を選べるか」を増やす。
未来ナビ家計簿の3つの約束
このコンセプトを現実的にするために、未来ナビ家計簿は次の「3つの約束」を守ります。
-
毎日ではなく、週1でOK
家計簿は「毎日続けなきゃ意味がない」とは考えません。
子育て中は予定通りに進まないのが当たり前。
だから「週1回、3〜10分振り返れたら合格」という基準にします。 -
細かい分類はやめて、「3つの箱」だけにする
費目が多いほど、入力が大変になります。
未来ナビ家計簿では、
「固定費」「変動費」「育児費」の3つにざっくり分けるだけでOKにします。 -
目的は「未来の選択肢」を増やすこと
完璧な記録や1円単位の正確さより、
「これから、どんな暮らしや働き方を選べるか」が見えていることを大事にします。
では、この「未来ナビ家計簿」を始める前に、まず心の土台を整えていきましょう。
始める前の“心の準備ワーク”
家計簿は「数字のノート」でもありますが、同時に
あなたの感情や不安、希望も映し出す鏡のような存在です。
だからこそ、いきなり数字から入るのではなく、
まずは心の準備から始めることをおすすめします。
STEP1:家計簿に感じている不安を書き出す
紙やスマホのメモに、思いつくままに書いてみてください。
- 続けられる自信がない
- 赤字を見るのが怖い
- 夫にどう思われるか不安
- そもそも、正しいやり方がわからない
書き出すことで、「頭の中でぐるぐるしていた不安」が外に出ていきます。
これだけでも、少し心が軽くなるはずです。
STEP2:「家計簿=未来を守るノート」と言葉で決める
次に、ノートやメモの一番上に、こう書いてみてください。
「私にとって家計簿は、家族の未来を守るためのノート」
たった一文ですが、
「反省ノート」「ダメ出しノート」だった家計簿のイメージが、少しずつ変わっていきます。
STEP3:未来の希望を3つだけ書き出す
最後に、
「お金のために我慢する未来」ではなく、
「お金を理由に、やりたいことをあきらめない未来」をイメージする時間を持ちましょう。
例えば、こんなものでも構いません。
- 来年、家族で1泊旅行に行きたい
- 子どもが小学生になるまでに、リビングをもっとくつろげる空間にしたい
- 3年後には、自分の仕事時間も少し増やしたい
これらの「未来の希望」こそが、家計簿を続ける意味になります。
ここまで書けたら、いよいよ具体的なステップに進みましょう。
未来ナビ家計簿の実践ステップ(週1・月1のやり方)
未来ナビ家計簿は、
「月20分・週1回」で回せるように設計します。
STEP1:お金の流れを「3つの箱」に分ける
まずは、あなたの家計の支出を大きく3つに分けてみましょう。
-
固定費
毎月ほぼ変わらない支出。
例:家賃・住宅ローン、保険料、通信費、サブスク、保育料など。 -
変動費
生活の中で増減する支出。
例:食費、日用品、外食、レジャー、美容など。 -
育児費
今の子育て期ならではの支出。
例:おむつ、ミルク、離乳食グッズ、ベビー服、写真撮影、ワークショップ参加費など。
この3つの箱のバランスをざっくり掴むだけで、
「どこを見直せそうか?」のイメージがつきやすくなります。
STEP2:週1回の“ざっくり振り返り”(3〜10分)
週に1回、できれば同じタイミングで、次の3つだけチェックします。
-
今週いちばん多かった支出の箱はどこ?
「変動費が多かったな」「今週は育児費がかさんだな」など、ざっくりでOK。 -
「残したい支出」を1つ見つける
例:家族で食べた外食、ママのちょっとした一人時間、子どものワークショップ参加費など。
「これはお金を払ってよかった」と感じる支出を、ちゃんと肯定します。 -
「来週は少し控えたい支出」を1つだけ決める
例:コンビニのちょこちょこ買い、なんとなく続けているサブスクなど。
全部を減らそうとせず、「1つだけ」を選ぶのがポイントです。
この3つを考えるだけで、
「何となく使ってしまったお金」を減らし、「満足度の高いお金の使い方」を増やしていく流れが少しずつ生まれます。
STEP3:月1回の“未来の安心ラインチェック”(5〜10分)
月に1度は、「これからの安心」に目を向ける時間をとりましょう。
-
来月の最低限必要な金額(生活+育児)をざっくり確認
「これだけあれば、とりあえず来月も安心して過ごせる」というラインを決めます。
赤字になる月があっても、ここを基準に「どう調整するか」を考えられればOKです。 -
1年後までに“これくらいあれば安心”という金額を決める
例:
「1年後までに、緊急用として10万円はキープしておきたい」
「子どもの教育費のスタートとして、年間で◯万円くらい貯めておきたい」
細かい計算ではなく、感覚的な目安で構いません。
未来ナビ家計簿では、この「来月の安心」と「1年後の安心」が見えていれば十分です。
マネーフォワード MEを使うと、未来ナビ家計簿がもっとラクになる
ここからは、家計簿アプリ「マネーフォワード ME」を、
未来ナビ家計簿の考え方に合わせて「ゆるく」「ラクに」使う方法をご紹介します。
先に大事なことをお伝えしておくと、
マネーフォワード MEを「使いこなす」必要はまったくありません。
未来ナビ家計簿では、
- 入力の手間を減らすこと
- 全体の流れを一目で見ること
この2つだけを、マネーフォワード MEに手伝ってもらえれば十分です。
STEP A:最初にやることは“3つだけ”
マネーフォワード MEをインストールしたら、まずはこの3つだけ設定します。
-
メインの銀行口座を1つだけ連携する
給与が振り込まれる口座・普段よく使う口座を1つだけ選びます。
最初から複数連携すると情報量が多くなり、逆に疲れてしまうので、最初は1口座だけでOKです。 -
よく使う支払い手段を1つだけ連携する
例:メインのクレジットカード、またはPayPayなど。
「普段いちばんよく使う支払い手段」を1つだけ連携すれば、
日々の支出の大部分が自動で取り込まれるようになります。 -
お金に関する通知は、いったん全部オフにする
「◯◯の引き落としがあります」「今月の支出が〜」といった通知は、
心が不安定な時期にはストレスになりやすいもの。
未来ナビ家計簿では「自分のタイミングで見に行く」を大切にしたいので、
通知は最初はオフで大丈夫です。
STEP B:未来ナビ流・マネーフォワード MEの“ゆるい見方”
未来ナビ家計簿では、マネーフォワード MEを次のように使います。
- 毎日開かなくていい → 週1回でOK
- すべての支出をチェックしなくていい →「3つの箱」の傾向だけ見る
- 数字の正確さを追いかけない → 大まかな流れが掴めればOK
マネーフォワード MEの画面を開いたら、完璧に見ようとせず、
「今週は、どの箱(固定費・変動費・育児費)が大きそうか?」という感覚だけ掴めれば十分です。
STEP C:やらなくていいことリスト
逆に、未来ナビ家計簿では、次のことは「やらなくていい」と決めてしまいます。
- 1円単位まで数字を合わせること
- すべての支出を正確なカテゴリに分類すること
- 毎日、欠かさずアプリを開くこと
- 複数の銀行口座・カード・ポイントを全部連携すること
これらは、家計簿に慣れていて、数字を扱うのが得意な人には役立つかもしれません。
でも、今のあなたにとっては「続けることのハードル」になってしまう可能性の方が高いはずです。
だからこそ、未来ナビ家計簿では「使わない機能」を意識的に決めることをおすすめします。
夫婦で“未来を選ぶ”5分ミーティングのやり方
未来ナビ家計簿の真価は、「夫婦で共有するとき」に発揮されます。
家計の話をするのが苦手なご夫婦でも、
次の「月1回・5分だけの未来ミーティング」なら、少しずつ取り入れやすいはずです。
月1回、5分だけ話す内容は“3つ”だけ
-
来月の「安心ライン」を共有する
「来月は、これくらいあれば安心して暮らせるよね」という金額を、ざっくりでいいので共有します。
ここでは、節約やダメ出しではなく、「必要な安心を一緒に確認する」ことが目的です。 -
今月の「満足度の高い支出」をひとつ挙げる
例:
「この前の外食、気分転換にもなったし、行ってよかったね」
「写真撮影、いい思い出になったよね」
など、「お金を使って良かった」と思える支出を、ちゃんと口に出して認め合う時間にします。 -
これからお金をかけたいこと・少し控えたいことを1つずつ話す
「子どもの習い事のために、少しずつ準備したい」
「コンビニのちょこちょこ買いは、少し減らしたい」など。
「やめる」のではなく、「優先順位を一緒に考える」イメージです。
このとき、マネーフォワード MEの画面を一緒に見ながら話すと、
「誰のせい」ではなく「家としてどうしたいか」の会話になりやすくなります。
よくある不安とつまずきへのQ&A
Q. 1ヶ月まるまるサボってしまいました…もうダメでしょうか?
A. まったく問題ありません。未来ナビ家計簿は、「継続」ではなく「戻ってこられること」を前提にしています。
サボった月のことは気にせず、「今日からまた週1で振り返ってみよう」と、今この瞬間から再開すればOKです。
Q. 赤字が続いていて心が折れそうです。
A. 育休中や子育て初期は、赤字の月が続くことは珍しくありません。
赤字そのものより、「いつ頃までこの状態が続きそうか」「どの支出なら調整できそうか」という視点が大切です。
未来ナビ家計簿では、赤字=悪ではなく、「家族の今を守るために必要な赤字」として眺めることもあります。
Q. 家計簿アプリが苦手で、過去に挫折したことがあります。
A. 未来ナビ家計簿では、アプリを「記録のため」ではなく「ラクに全体を眺めるため」のツールとして使います。
すべてを使いこなそうとせず、「口座1つ+カード1つ連携して、週1回だけ開く」くらいのスタートで十分です。
Q. 夫が家計の話に無関心で、どう伝えればいいかわかりません。
A. いきなり「家計簿を見てほしい」と言うよりも、
まずは「来年どんな暮らしにしたい?」と、未来の話題から入るのがおすすめです。
そのうえで、
「そのために、毎月これくらい余裕があると安心だよね」
「ちょっとここが心配なんだ」
と、「不安の共有」→「一緒に考えたい」という流れで話すと、受け止めてもらいやすくなります。
まとめ:完璧ではなく、「戻ってこれる家計簿」を持とう
未来ナビ家計簿とマネーフォワード MEを使った新しい家計簿のスタイルは、
従来の「毎日・細かく・完璧に」から、
- 週1・ざっくり・未来にフォーカス
- 反省ではなく、選択肢を増やすための家計簿
- 一人で抱え込まず、夫婦で未来を選ぶためのツール
へと、家計簿の役割そのものをシフトさせる考え方です。
あなたはもう、十分がんばっています。
子育て、家事、家族のこと。
そのうえで「家計もちゃんとしたい」と思って、このページを読んでいる時点で、
もうすでに一歩を踏み出しています。
未来ナビ家計簿は、そんなあなたの「心の負担を減らしながら、未来の安心を少しずつ増やしていく」ための味方になれるはずです。
まずは、週1回・3分だけ、マネーフォワード MEを開いてみるところから。
そして、「今週のお金の使い方で、良かったところを1つだけ見つける」ところから始めてみませんか?
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よくある質問(FAQ)
未来ナビ家計簿は、毎日つけなくても本当に大丈夫?
大丈夫です。未来ナビ家計簿は「週1回の確認」で家計を整える設計になっています。毎日続ける前提をやめることで、育児中でも無理なく続けられます。もし、「できなかった週」があっても問題ありません。もし、週1回のサイクルでもきつかったら、2週間に1回にするなど。気張らずにやるのがポイントです。
マネーフォワード MEの連携は最低限でいいの?
はい。最初は「銀行口座1つ」「よく使う支払い手段1つ」のみで十分です。複数連携すると情報量が増えて疲れてしまうため、未来ナビ家計簿では、まずは最小限の機能から使っていくことを進めています。
赤字が続いても家計簿を続ける意味はありますか?
あります。育休・子育て期は赤字になる時期です。未来ナビ家計簿では、赤字の有無より「未来の見通しが持てているか」「安心ラインが把握できているか」を重視します。
費目を細かく分けないと、家計の見直しができないのでは?
細分化しなくても問題ありません。「固定費・変動費・育児費」の3分類だけで、見直すポイントは十分に把握できます。むしろ分類が多いと挫折の原因になります。
夫が家計に関心がないのですが、未来ナビ家計簿で巻き込めますか?
はい。未来ナビ家計簿は「お金の話」ではなく「未来の話」から共有する設計になっています。月1の5分ミーティングを導入することで、自然に家計の会話が増えます。
1ヶ月以上サボったら、やり直すのが不安です。
未来ナビ家計簿は「戻ってこれること」を最も大事にしています。空白の期間は気にせず、今日から“週1の確認”を再開すればOKです。


